日立化成工業 全方向に高い熱伝導性と絶縁性を有する接着シートを開発

 日立化成工業株式会社(本社:東京、執行役社長:田中一行、資本金:155億円)は、従来より課題とされていた熱伝導性、絶縁性、接着性というトレードオフの機能を両立し、シートの面内・厚さに係わらず全方向に世界最高レベル(*)の熱伝導率(40 W/m・K)を有する等方性絶縁接着シートを開発しました。今後、2012年度末までに少量サンプルの提供を開始すると共に量産技術の確立に努め、2015年度からの量産化を目指します。

 パワーエレクトロニクスデバイスの小型化、高集積化の進展に伴い、機器内部から大量の熱が発生するようになり、その熱をいかに効率よく機器外部に放散させるかが機器の性能や寿命を左右する重要な課題となっています。そのため、機器の放熱構造設計や効率の良い冷却方法などが検討されていますが、電気絶縁材料として欠くことのできないエポキシ樹脂は熱伝導性が悪いことから、その向上策として窒化ホウ素(BN)などの無機セラミックスのフィラ-を樹脂中に大量に添加する方法が主流となっています。しかし、BNはりん片状で熱伝導率の異方性が大きい上、濡れ性に乏しいことから絶縁性や接着性との両立が難しいことが知られています。BNを縦方向に配向させた場合はシートの熱伝導率は極めて高くなるものの絶縁性が低くなり、逆にBNを面内方向に配向させた場合にはシートの絶縁性は高くなるものの熱伝導率が低下するというトレードオフの関係となっていました。

 そこで当社は、従来から開発を進めている自己配列によって高次構造を制御する独自の高熱伝導エポキシ樹脂組成を硬化剤を含め改良し、濡れ性に乏しいBNフィラーを高充填できる低溶融粘度の樹脂組成物を開発、さらに、BNフィラーをランダムに分散、高充填化するプロセスを確立したことにより、全方向に高い熱伝導性と絶縁性、接着性を高度に両立することに成功しました。本製品の熱伝導率は、厚さ方向に40 W/m・K、面内方向に50 W/m・Kとほぼ等方的に高く、絶縁性も絶縁破壊電圧(BDV) 60 kV/mmを越え、ボイドレスで高い絶縁性を達成しました。

 本製品は今後、2012年度末までに少量サンプルの提供を開始すると共に、量産技術の確立に努め、2015年度からの量産化を目指します。なお、本研究開発の一部は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業「超ハイブリッド材料技術開発」の委託により行われています。

 本製品は、2012年1月18日(水)から20日(金)まで開催される「第4回 次世代照明 技術展~ライティング ジャパン~(東京ビッグサイト西1ホール ブースNo.西L1-64)」に開発品として展示します。

*2012年1月18日当社調べ

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